百花百草図屏風 田中訥言筆 六曲一双

重要文化財

百花百草図屏風 田中訥言筆 六曲一双 ひゃっかひゃくそうずびょうぶ たなかとつげんひつ

輝く金の地面に春蘭に蕨(わらび)、土筆(つくし)…と右から左へ、春に始まり、夏から秋、そして冬へと四季の移ろいが百種におよぶ花々であらわされる。天上の楽園を思わせる比類ない美しさで、訥言畢生の名品と称えられる本図は、尾張を代表する豪商である岡谷家六代宗純(1777?~1845)の注文によって生み出された。訥言は製作に先立ち、絵具や画材の代金として三十両を受け取ったが、二度にわたって使い果たし、三度目にようやく本図を完成させたという逸話が残る。昭和40年岡谷家寄贈。

【江戸時代 19世紀 徳川美術館蔵 重要文化財】