能面 白式尉・黒式尉(伝越智吉舟作)

能面 白式尉・黒式尉(伝越智吉舟作) のうめん はくしきじょう・こくしきじょう

白式尉と黒式尉は、天下太平・国土安穏・五穀豊穣・子孫繁栄を祈る祝言能「翁」で用いられる能面です。能楽の発生以前から神の面として神聖な祝い事に使われてきました。白式尉は、しわの刻まれた白い顔にボウボウ眉と呼ばれる白い飾眉と長く白い顎髭を生やし、天下の平和を祈り長寿を称える円満福徳の相を表します。対して、黒式尉は、黒く彩色された顔に額と頬に朱を入れています。日に焼け、土になじんだ健康的な好々爺を思わせる面です。

【室町時代 16世紀】