東洲斎写楽<br>三代目市川八百蔵の<br>田辺文蔵

東洲斎写楽
三代目市川八百蔵の
田辺文蔵
とうしゅうさいしゃらく さんだいめいちかわやおぞうのたなべぶんぞう

寛政6年(1794)5月、都座上演「花菖蒲文禄曾我(はなあやめぶんろくそが)」の三代目市川八百蔵扮する田辺文蔵を描く。この狂言は、元禄14年(1701)に実際に起きた「亀山の仇討ち」を脚色した話で、伸びた月代とほつれ毛に落ちぶれた浪人の様子と、力なくうつむく表情には苦労を重ねる文蔵の役柄がよく表されている。

【寛政6年(1794)5月】