水色・茶・納戸段秋草文唐織

水色・茶・納戸段秋草文唐織 みずいろ・ちゃ・なんどだんあきくさもんからおり

 秋の日の黄昏(たそがれ)時、夕焼けの名残の色が次第に藍色を帯びた空の情景を思わせるような、茶・水色・納戸色(なんどいろ)の段替わりの地に、桔梗や萩、菊などの秋草が10色を越える色糸で織り出されています。豊かな色使いでありながらも、華麗な中にも侘びた趣をたたえた唐織です。古来日本人は秋草をこよなく愛しました。秋草は、もの悲しくしみじみとした情感をあらわす景物として詩歌に謳われ、絵画をはじめ衣服や調度品の意匠にも取り上げられてきました。

【江戸時代 17世紀】