布袋図 三幅対の内<br />狩野元信筆

布袋図 三幅対の内
狩野元信筆
ほていず

布袋(生年未詳~916)は、七福神の印象が強く、想像上の人物と思われがちですが、実在の人物とされます。常に杖で布ぶくろを担い、その中に持ち物の全てを入れていたことから、布袋と呼ばれました。末期を前に、自身を釈迦の次に衆生を救済する弥勒菩薩の化身であると明かしたといいます。本図の布袋は、その名の由来となった布ぶくろに腰掛け、にたりと笑うその不敵な笑みの中の眼差しは、観る者の心を見透かすかのようです。

【室町時代 徳川美術館蔵】