久能寺経 随喜功徳品

国宝

久能寺経 随喜功徳品 くのうじきょう ずいきくどくほん

永治元年(1141)3月10日、鳥羽上皇の出家に伴う逆修(ぎゃくしゅ)(死後の冥福を祈って生前に仏事を営むこと)五十講に際して、上皇を中心に近臣や女房たちが供養したと推定されています。「随喜功徳品」は、右大臣藤原宗忠(むねただ・1062~41)娘の結縁経と知られています。見返は紫の暈(ぼか)し染めに金銀の砂子や切箔・野毛を撒き、蓮や葦が生える汀の景が描かれています。洲浜形の書き始めに「め」「水」、そのほか「と」や「へ」と思われる葦手、紙背にも水辺の景に蛇籠(じゃかご)や浮木、「の」「と」「め」の葦手を交え描いています。

【平安時代 永治元年(1141) 個人蔵 展示期間:10/10~10/28】