六歌仙　在原業平
葛飾北斎画 ろっかせん ありわらのなりひら

葛飾北斎(かつしかほくさい)による文字絵で、平安時代の和歌の名人である六歌仙のシリーズの一枚です。歌仙の名前の文字を衣文線に用いた文字絵ですが、北斎ならではの構成力で巧みに文字を組み込み、典雅な歌仙絵の世界を見事に描き出しています。「在原業平」は、「在ハラのなり平」の文字で構成されます。「在」の草書体が前身頃に、「ハら」は向かって左側の袖、「の」は右側の脚、「な」は右側の肩、「り平」は後ろに引いた裾(きょ)で表現されています。

【江戸時代 文化年間中期(1809～13)頃　平木浮世絵財団蔵　展示期間:10/4～10/28】