



徳川園の入口 --- かつての尾張徳川家名古屋別邸の「表門」をくぐると、緑に囲まれた石畳の向こうに、徳川美術館の前景が見えてきます。公園と美術館が一体になって、ゆったりとした雰囲気が生まれ、そのまま館内へと続いてゆきます。最先端技術を駆使した建築でありながら、しかも日本文化の伝統の薫りに浸ることのできる雰囲気は、徳川美術館の最高の魅力といえましょう。
平成16年(2004)11月には、近隣の池泉回遊式の日本庭園「徳川園」・尾張徳川家旧蔵書を収蔵する「名古屋市蓬左文庫」がリニューアルオープンしました。徳川美術館と蓬左文庫の展示室が一体化し、近世武家文化を体感できる歴史文化拠点となりました。

徳川美術館は建物の外観デザインを公募して昭和7年(1932)に着工、昭和10年春に完成し同年の秋に開館。超近代的設備を備えた画期的美術館としてヨーロッパの建築界にも紹介されました。当時の展示棟と収蔵庫である今日の企画展示室(第7・8・9展示室)と南収蔵庫は、城閣を想わせるような帝冠様式建築で、昭和初期の我が国の美術館建築を代表する建造物として国の文化財に登録されています。

常設展示室(第1〜5展示室)では、尾張藩主(大名)の公的生活の場であった名古屋城二之丸御殿を、部分的ながらも時代考証に基づいて、そのまま復元してあります。美術品とそれらが使われた空間との一体的な体系展示によって、美術品単体の美にとどまらず、日本の伝統美である「構成の美」あるいは「取り合わせの美」が鑑賞できます。

国宝「源氏物語絵巻」は徳川美術館を代表する収蔵品のひとつですが、原本は保存のため、年間の展示日数はきわめて短期間に制限しています。そこで、多少なりとも来館される方々のご期待にそえるよう、常設展示室(第6展示室)を設け、映像システム、複製(レプリカ)を中心にご鑑賞になれるようにしています。

建物が登録文化財に指定されている企画展示室(第7・8・9展示室)では、年間を通じてテーマを絞ったさまざまな企画展を催しています。常設展示室とは一味違った重厚な雰囲気の中で、その時々のテーマのもとに、質量ともにそろった美術品の数々、大名の生活や文化をより深く味わえるよう工夫を凝らしています。

徳川美術館の思い出に、記念に、おみやげに、オリジナル・グッズを豊富に揃えました。鑑賞の手助けとなる展覧会図録やDVD、より深くお知りになりたい方向けの専門的な各種出版物もお求めいただけます。