刺繡阿弥陀三尊来迎図

重要文化財

刺繡阿弥陀三尊来迎図 ししゅうあみださんぞんらいごうず

本紙・表装ともに全面を刺繡で表した阿弥陀三尊来迎図です。中央には阿弥陀三尊の来迎と、『大無量寿経』の阿弥陀四十八願の第十八願の偈を、また中尊の光背には、種子「ア」が四十八個配されています。上段には、二十五菩薩の種子、下段には蓮池をはさんで、不動明王と毘沙門天の立像、さらに左右柱中央には釈迦と薬師の種子を蓮華唐草文の中に配しています。偈・種子・螺髪には人髪が用いられています。色のぼかしや線の躍動感を、高度な刺繡の技法を駆使して仕上げています。毘沙門天や不動明王を護法神としているので、鎌倉時代後期の天台宗系浄土教信仰から生み出された作品と考えられます。

【鎌倉時代 14世紀】

平絹地総繡
一幅
縦73.2 横33.4

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