関戸本古今和歌集切<br />こゝろかへ

関戸本古今和歌集切
こゝろかへ
せきどぼんこきんわかしゅうぎれ

白や濃淡の萌黄・紫・茶・黄などの染紙を用いて『古今和歌集』を書写した、世に「関戸本古今和歌集」として名高い断簡です。もとは加賀前田家に伝来した上下二帖の綴葉装(てっちょうそう)冊子本で、明治15年(1882)に関戸家の所蔵となったことから「関戸本」と称されています。
字形はよく整い、線質が豊かで、緩急抑揚が自在で変化に富み、巧みな墨継ぎと優麗な連綿の美しさなど、古筆の中でも屈指の名筆の一つに数えられています。筆者を藤原行成(972~1027)と伝えていますが、もとより確証はなく、書風や料紙の趣向からみて、書写年代は11世紀半ばか、これをやや遡る頃と考えられます。

【平安時代 11世紀】

作者:伝藤原行成筆

岡谷家寄贈
重要美術品
彩牋墨書
縦20.5 横15.2

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