重之集

重要文化財

重之集 しげゆきしゅう

三十六歌仙の一人である源重之の家集である。重之が帯刀先生(たちはきせんじょう)の任にあった時、東宮(のちの冷泉天皇)に新たに詠んで献じた春・夏・秋・冬各二十首、恋・恨各十首、および「かずのほかにたてまつれる」二首をあわせた百二首の歌を収めている。雲母砂子(きらすなご)を一面に撒いた淡い藍の打曇(うちぐもり)のある料紙に、前半は歌を二行書き、後半は散らし書きにしている。書き初めから帖末に至るまで、緩急抑揚が自在で流麗な筆致により、書写年代は11世紀前半に遡ると考えられる。

【平安時代 11世紀】

作者:伝藤原行成筆

縦20.6 横15.2

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