七夕蒔絵手箱

七夕蒔絵手箱 たなばたまきえてばこ

蓋表には水夫たちを乗せ波間を行く帆船を中心に、空に千鳥が群れをなして飛び交うさまをあらわす。蓋・身ともに四側面は波模様、懸子の見込には牽牛・織女の二星と盥の水面に映る二星を、蓋裏と身の見込には岩上に生えた樹木と千鳥を描く。蓋裏の岩に「連」、身の見込の幹に「を」、岩に「と志」の葦手文字がある。図様と文字から 「天の河妻むかへ舟さす棹の さしてはあれととしにひとたひ」(『躬恒集』)といった古歌を想起させる。

【室町時代 15世紀】

一合
高10.0 縦13.9 横11.2

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