龍図

重要文化財

龍図 りゅうず

陳容(1189~1268)は南宋時代末期の文人で、潑墨や吹き墨を得意とし、宝祐年間(1553~1258)には龍描きの名手として知られていた。本幅にもそうした技法を用いて、風雨を司る龍がまとう雲煙が表現されており、陳容の龍図の迫力を伝えるが、基準作とされる九龍図(ボストン美術館蔵)との比較から、後世の模作と推定される。対の虎図について朝鮮絵画との類似が指摘されており、虎図と龍図の画絹が同一であることから、ともに朝鮮王朝で製作された可能性もある。
家康と初代義直の遺品を確認するために作られた享保6年(1721)の道具帳に、「権現様御譲」と書き添えて記録されており、家康から義直に譲られたことがわかる。

【中国・元~明あるいは高麗~朝鮮王朝時代 14-15世紀】

作者:伝 陳容筆

絹本墨画
本紙 縦189.5 横112.0

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