豊国祭礼図屏風<small>(左隻)</small>

重要文化財

豊国祭礼図屏風(左隻) ほうこくさいれいずびょうぶ

慶長9年(1604)8月に行われた秀吉7回忌祭典の情景を描いている。右隻に豊国社での御幣御榊(ごへいみさかき)の奉納、騎馬衆二百騎の行列、田楽の奉納と猿楽四座の「翁」、左隻には方広寺を背景に町衆の豊国踊りと施行(せがき)を描く。一双で千人近くの人物を構成し、群衆が織りなす祭礼の熱狂や狂騒が見事に描き出されている。
筆者は、豊頬長顎(ほうきょうちょうい)と称される特徴ある顔貌表現や動勢に富んだ個性的な姿態表現から、岩佐又兵衛(いわさまたべえ)(1578~1650)とみられる。豊頬長顎の特徴は、国宝「平治物語絵巻」(東京国立博物館などに分蔵)などの鎌倉時代の合戦絵巻にその原型がみられ、本品の群衆表現にも同絵巻から図様を引用していることが指摘される。

【江戸時代 17世紀】

作者:岩佐又兵衛筆

六曲一双
各隻 縦166.7 横345.0

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