唐墨<br /><small>呉申伯製 百老図<br />側款「萬暦己亥年呉申伯製」「谿提金汁勝興」</small>

唐墨
呉申伯製 百老図
側款「萬暦己亥年呉申伯製」「谿提金汁勝興」
ごしんぱくせい ひゃくろうず

両面に計97人の人物が、吉祥の松・竹・桃・鶴・鹿とともに精巧に象られている。山林に雅遊する彼らは、表面上部にあらわされる鶴に乗った仙人に連なる仙人たちであるとともに、哲学的談義である清談(せいだん)や琴棋書画(きんきしょが)にふける、隠士(いんし=山林で理想を追求した人々)とも解釈できる。これらの墨を享受した明時代の文人にとって、神仙の暮らす空間は文人の理想郷でもあった。
呉申伯(生歿年未詳)は、明時代の嘉靖・隆慶(1522~72)頃に活躍した墨匠(ぼくしよう)である。

【中国・明時代 万暦27年(1599)】

径16.0 厚2.4 重546g

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