青銅花生 (方壺)

青銅花生 (方壺) せいどうはないけ ほうこ

名物

 朝顔状に開いた尊形(そんなり)で鬼面(きめん)の鐶付(かんつき)がつく。伝世が古いためか肌は滑らかで、経年による複雑な色調の変化が不思議な魅力を持っている。  箱には金銘で「唐物大花入 利休所持」と記され、江戸時代後期の尾張徳川家の古帳には利休・織部所持とある。利休の高弟の一人である山上宗二(やまのうえそうじ)が記した『山上宗二記』では、名物花入の中の銅製の花入は、いずれも「古銅無紋ノ花入」とか「紫銅無紋ノ花入」とあって、無文(むもん)が賞美されたことがわかる。

【伝千利休所用 中国・明時代 16世紀】