能面 若男<br />焼印「天下一友閑」<br />友閑満庸作

能面 若男
焼印「天下一友閑」
友閑満庸作
のうめん わかおとこ やきいん てんかいちゆうかん

 文字どおり若い男をかたどった面で、眉間にしわを寄せた厳しい表情が特徴である。「歌占」や「女郎花(おみなえし)」などに登場する、若い男の霊役に用いられる。能の男面としてはこのほかに、より女性的で優雅な面貌の「中将(ちゆうじよう)」や「今若(いまわか)」、憂いを含む表情の「邯鄲男(かんたんおとこ)」がある。この面の作者・友閑(ゆうかん)満庸(みつつね)は、江戸時代の世襲面打師である大野出目(おおのでめ)家の二代目で、承応元年(1652)に歿した。

【江戸時代 17世紀】