厳島図屏風

厳島図屏風 いつくしまずびょうぶ

厳島・松島図屏風のうち 右隻/土佐光起筆

 厳島と松島は、天の橋立とともに「日本三景」と並び称され親しまれた名所である。右隻に厳島の全景が、左隻には松島湾内に点在する島々が描かれている。海上から俯瞰(ふかん)した雄大な景観の中に、名所を訪れた人々の姿が点景として描き込まれている。
 土佐光起(みつおき)(1617~91)は、土佐派中興の祖と評される画家である。細やかな人物表現は伝統的なやまと絵の手法によるものの、厳島・松島の山水には漢画の要素が取り入れられており、光起独自の新しい表現が看取できる。

【重要美術品 江戸時代 17世紀 】