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徳川美術館・蓬左文庫開館80周年記念秋季特別展 茶の湯の名品

徳川美術館には、室町将軍家の宝物で、桃山時代以降、唐物の粋として賞翫され続けた「東山御物」や、茶人たちに愛蔵され「大名物」「名物」の称号を与えられた道具などの名品が数多く伝えられています。
さらに、岡谷家をはじめとする名古屋の旧家からの寄贈も受け、充実した茶道具のコレクションとなっています。
本展では、足利義満・義政などの室町将軍や、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康ら天下人をはじめとする戦国大名、そして武野紹鷗・千利休・古田織部・織田有楽といった茶の湯の名人が所持していた道具に光を当て、その魅力と伝来の様相を紹介します。

主な展示品

Chapter Explanations

本展では、徳川美術館が誇る茶道具の数々を、所用者に注目してご紹介します。

「茶の湯の名品」を手にした人物としてまず欠かせないのが、三代足利義満・四代足利義持・六代足利義教ら室町将軍です。彼らの元には、伝牧谿筆「洞庭秋月図」(名物)や「達磨・政黄牛・郁山主図」(重要美術品 名物)などの唐物が蒐められ、後に「東山御物」と呼ばれるコレクションが形成されました。こうした唐物を重んじる価値観は、『君台観左右帳記』にまとめられ、江戸時代末期に至るまで武家の伝統美として尊重されました。

散逸した室町将軍家のコレクションは、その後、豪商の仲介を経て、戦国大名を中心に蒐集の対象とされました。中でも熱心だったのが織田信長で、安土城天守落成時に「唐物茶壺 銘 松花」(重要文化財 大名物)と「唐物茶壺 銘 金花」(大名物)を前に「ご機嫌斜めならず」であったという逸話も残っているように、さまざまな名品を手中に収めました。豊臣秀吉も同じく、「古芦屋姥口雹釜」(名物)などの天下に名高い品を蒐めました。さらに、茶堂であった千利休の目利きを通して、室町時代以来高い価値を与えられてきた唐物だけでなく、高麗物や和物にも美を見出すなど、新たな名品の発掘を図りました。「三島茶碗 銘 三島桶」(大名物)も利休所持と伝えられる名品の一つです。

このように、当館の収蔵品には、所持者が判明し、その時代の美意識を映す様々な茶道具の名品があります。そのほかに、武野紹鷗所持「白天目」(重要文化財 大名物)、荒木村重所持「染付唐草文茶碗 銘 荒木」(大名物)、千利休作・古田織部所持「泪の茶杓」(名物)などの作品を展示します。様々な人物が賞翫し今に伝えた茶の湯の名品を間近でお楽しみいただけます。

【徳川美術館学芸員 吉冨真知子】

Overview of the Exhibition

Period
Hours 午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
Closed Days 月曜日<9月21日(月)・22日(火)・23日(水)・10月12日(月)は開館、9月24日(木)・10月13日(火)は休館>
Admission Tickets

一般 1,200円・高大生 700円・小中生 500円
※20名様以上の団体は一般200円、その他100円割引
※毎週土曜日は小・中・高生入館無料

Organizers 徳川美術館・名古屋市蓬左文庫・中日新聞社
Supporting Organizations 名古屋市交通局
Exhibition Catalogue 特別展図録『茶の湯の名品』2,200円(税込)
記念講演会

記念講演会「わび茶のながれ」
武者小路千家家元後嗣 千宗屋氏
2015年10月17日(土)午後1時30分~3時(1時開場)
徳川美術館講堂
※入館者聴講自由

関連企画

土曜講座「徳川美術館の茶道具」
徳川美術館学芸員 吉冨真知子
2015年10月3日(土)午後1時30分~3時(1時開場)
徳川美術館講堂
受講料600円

Reference Material Flyer(PDF:5.2 MB)[更新日: 新しいウインドウで PDF を開きます
Handout(PDF:566.0 KB)[更新日: 新しいウインドウで PDF を開きます