耳長兎図目貫

耳長兎図目貫 みみながうさぎずめぬき

兎は古くから日本人に親しまれてきました。『古事記』には有名な「因幡の白兎」の神話が含まれています。また、『今昔物語集』の仏教説話には、善行のために帝釈天によって月に移された兎の話があります。兎を用いた図柄としては、先の逸話を元とした「月に兎」に加え、謡曲「竹生島」にちなむといわれる「波に兎」が桃山時代以降よく用いられてきましたが、本品では兎のみをとり上げた意匠となっています。

【江戸時代 18-19世紀】