葉月物語絵巻

重要文化財

葉月物語絵巻 はつきものがたりえまき

 平安貴族の男女の恋愛を主題とした逸名(いつめい)物語の残巻です。現在の名称は詞書の冒頭の「八月十よひしもつかたなる所に…」の語句にちなんで、便宜的に名付けられました。物語は、現存部分から大将と女君、宮と姫君という二組の男女の複雑な恋愛物語などとの見解が示されています。絵は、各段にわたり補筆が認められますが、古様を示す筆致、装束・文様などの有職(ゆうそく)からみて、12世紀半ば頃の製作とみなされます。

【平安時代 12世紀 重要文化財】