短刀  無銘 則重

短刀  無銘 則重 たんとう むめい のりしげ

「則重肌(のりしげはだ)」と呼ばれる、異なる性質の鋼(はがね)が斑(まだら)に見える地文(じもん)が特徴で、刃文は大きくゆったりと乱れて波打っている。元は長刀(なぎなた)であったが、それを直して短刀となった。
作者の則重は、 相模国の鎌倉鍛冶の実質的な祖である新藤五国光(しんとうごくにみつ)の弟子で、鎌倉時代末期に活躍した越中国の刀工である。
家康の遺産目録である『駿府御分物御道具帳(すんぷおわけものおどうぐちょう)』に記載があることから、家康から尾張徳川家初代義直へ譲られたことが分かるとともに、蜂須賀家政(はちすかいえまさ/1558~1638)から家康に献上された由緒も分かる。

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【南北朝時代 14世紀】