瀬戸野田手茶入<br />銘 菖蒲草

瀬戸野田手茶入
銘 菖蒲草
せとのだてちゃいれ
めい あやめぐさ

「野田手」は瀬戸茶入の一つで、江戸時代後期の大名茶人・雲州松平家7代不昧(ふまい)(治郷(はるさと)/1751~1818)による分類では、2代目加藤藤四郎の作といわれる「真中古(まちゅうこ)」窯に属する。肩の張った形と釉色に艶があり変化に富んでいる点が特徴である。本歌の野田茶入は小堀遠州(1579~1647)の命銘であったが、明和9年(1772)江戸の大火で焼失したといわれる。
明治2年(1869)に東本願寺に贈られ、その後、昭和2年(1927)に売立に出品され、名古屋の商家・高松家と岡谷家を渡り徳川美術館へ帰ってきた、珍しい来歴の茶入である。

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【室町時代 16世紀 東本願寺伝来・岡谷家寄贈】