唐物肩衝茶入 銘 宗無<br />大名物

唐物肩衝茶入 銘 宗無
大名物
からものかたつきちゃいれ めい そうむ

堺の茶人・住吉屋(すみよしや)山岡宗無(1534~1612)が所持していた茶入で、銘もそれにちなむ。大型の肩衝茶入ながら、全体が薄造りとなっており、手取りは軽い。室町時代後期から江戸時代初期には、本品のような大型の肩衝が特に尊重された。
本茶入は、久保田藩初代佐竹義宣(よしのぶ/1570~1633)の遺品として、家督相続の御礼に同2代義隆(よしたか)が3代将軍徳川家光に献上しており、再び義隆が相続後の初帰国の許可を得た際に返された。のち4代将軍徳川家綱に献上され、家綱から5代将軍徳川綱吉に伝えられ、宝永6年(1709)に歿した綱吉の遺品分けで、尾張徳川家4代吉通が拝領した。このように名物茶の湯道具は、大名にとって重要な場面での贈答品であった。

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【中国・南宋~元時代 13-14世紀】