二大字「正名」
徳川家斉(11代将軍)筆
にだいじ せいめい
「正名」とは大義名分を明らかにし、道理に適った行動をとるという意味であり、君主の徳目の一つとされる。『論語』の一節で、弟子の子路(しろ)が国政の要(かなめ)について尋ねた時、「必ずや名を正さんか」と孔子が返答している。蓋表に寛政5年(1793)4月5日に拝領したことが記されており、家斉21歳以前の作と分かる。
【江戸時代 18世紀】