能面 増<br /><small>焼印「児玉近江」</small>

能面 増
焼印「児玉近江」
のうめん ぞう やきいん こだまおうみ

 増とは増女(ぞうのおんな)の略称である。足利義満の同朋衆(どうぼうしゅう)の一人で、田楽の名人増阿弥(ぞうあみ)の創始になるといわれる。額の横幅がやや狭く、目もとの肉付きを落とし、鼻筋が通った端正な顔だちで、清楚な品位がある。毛描きは額中央から2本、3本、3本と三段に引かれ、若女(わかおんな)と類似する。「羽衣(はごろも)」や「白髭(しらひげ)」の天女など神性の強い役に使用される。作者は江戸時代前期に京都で禁裏御用(きんりごよう)をつとめ「天下一近江」と称した児玉近江満昌(みつまさ)(1611〜1704)と知られる。

【江戸時代 17世紀】