菊折枝蒔絵将棋盤

菊折枝蒔絵将棋盤 きくおりえだまきえしょうぎばん

将棋盤・碁盤・双六盤は「三面(さんめん)」と呼ばれ、高貴な女性の教養を示す遊戯具として、近世大名家の婚礼調度に必須の道具であった。付属品として、将棋盤には駒と駒箱、碁盤には碁石と碁笥(ごけ)一対、双六盤には賽子(さいころ)・賽筒(さいづつ)・駒が揃っている。
本品は、総体を叢梨子地(むらなしじ)とし、金蒔絵で唐草文様に葵紋と菊紋の一種である浮線菊紋が散らされている。浮線菊紋は四親王家の一つである閑院宮家(かんいんのみやけ)が用いていた紋で、同家出身の母を持つ猶姫(ゆうひめ/尾張徳川家12代斉荘(なりたか)正室/1807~72)の所用品であった可能性が高い。

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【諸戸家寄贈 江戸時代 19世紀】