橘唐草蒔絵 調度品のうち<br /><small>歯黒箱、嗽茶碗・台、鼻紙台</small>

橘唐草蒔絵 調度品のうち
歯黒箱、嗽茶碗・台、鼻紙台
たちばなからくさまきえ ちょうどひん
はぐろばこ、うがいちゃわん・だい、はながみだい

黒塗の器体に金蒔絵で橘唐草を表す調度品で、所用者は不明だが湯桶の箱蓋裏には「安政六(一八五九)未年九月」とあるので、いずれも同時期に製作されたと考えられる。
歯黒箱は、お歯黒をつけるための道具を収める箱で、渡金箱と共に用いられた。内容品には歯黒次(歯黒の液を注ぐ小型の薬缶)・潼子(歯黒の原料を溶く杯)・附子箱、鳥の羽根で作った歯黒筆などがある。黒は不変の色であることから、お歯黒は女性の貞節の印とされるとともに、虫歯や歯槽膿漏の予防となったとされる。
タンニンを主成分とする附子粉を用い、鉄を媒剤として黒く発色させるお歯黒では、渋柿にも含まれているタンニンの成分が非常に渋かったため、台に載せた嗽茶碗で口をすすいだ。
鼻紙台は、角盆形の天板の下に引出しを設けた小簞笥で、鼻紙や楊枝などの小物が引出しに整理して納められる。

写真は同調度一式で、今回は展示されていない作品も含まれます。
・橘唐草蒔絵 鏡立(かがみたて)
・橘唐草蒔絵 鏡巣(きょうす)
・橘唐草蒔絵 渡金箱(わたしかねばこ)
・橘唐草蒔絵 歯黒箱(はぐろばこ)
・橘唐草蒔絵 耳盥・輪台(みみだらい・わだい)
・橘唐草蒔絵 櫛台(くしだい)
・橘唐草蒔絵 手拭掛(てぬぐいかけ)
・橘唐草蒔絵 湯桶・盥(ゆとう・たらい)
・橘唐草蒔絵 嗽茶碗・台(うがいちゃわん・だい)
・橘唐草蒔絵 鼻紙台(はながみだい)

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【江戸時代 19世紀】