牡丹文堆黒盆

牡丹文堆黒盆 ぼたんもんついこくぼん

「漆黒」という言葉を彷彿とさせる堆黒の盆です。堆黒は堆烏(ついう)とも呼ばれ、良質な黒漆を塗り重ねて、文様を彫り込む技法です。黒曜石を思わせる艶やかな漆黒の漆を滑らかに彫り込み、堂々とした大型の丸盆に的確に牡丹の花を表しています。塗り重ねられた漆の最下層は黄漆で、中間に朱漆を一層交え、漆黒のなかにわずかな彩りを添えています。

【元時代 14世紀】