文正草子絵巻

文正草子絵巻 ぶんしょうぞうしえまき

常陸国の文正が塩焼の業で財を成し長者となり、娘たちも良縁に恵まれ、妻とともに長寿を保ったという御伽草子(おとぎぞうし)を描いています。はじめから終わりまで、おめでたいことばかりという祝儀性から婦女子の正月の吉書(きっしょ)や婚礼の調度本としても歓ばれました。福君の婚礼調度本として伝わりましたが、製作年代は婚礼よりも遡り、既存の古画を婚礼調度本として調進したと考えられます。

【江戸時代 17世紀 俊恭院福君所用】