芦引絵<br /><small>五巻のうち巻四</small>

重要文化財

芦引絵
五巻のうち巻四
あしびきえ

中世に流行した稚児物語の一つです。比叡山東塔の侍従の君である僧・玄怡(げんい)と東大寺東南院の稚児の若君との恋を主題とし、二人の別離と邂逅を描いています。若君の存在を疎ましく思っていた継母は、娘婿の和泉守来鑒(らいかん)という僧に若君と侍従の君への夜襲を持ちかけ、戦いを引き起こします。巻四には、来鑒の夜襲が描かれています。いたるところに描かれる負傷者や、凄惨な戦の場が展開し、屋敷の中では侍従の君と来鑒の戦いが異時同図法(いじどうずほう)で描かれています。

【室町時代 15世紀 公益財団法人阪急文化財団 逸翁美術館蔵 展示期間:8/20~9/8】