偐紫田舎源氏<br /><small>柳亭種彦著 歌川国貞画 十九冊の内</small>

偐紫田舎源氏
柳亭種彦著 歌川国貞画 十九冊の内
にせむらさきいなかげんじ

柳亭種彦(りゅうていたねひこ/1783~1842)が『源氏物語』を翻案した長編作品です。着想の面白さに加え、歌川国貞(くにさだ)(のち三代豊国 1786~1864)の挿絵が人気を博し、14年にわたり刊行されました。「偐紫」とは偽(にせ)の紫式部の作という意味で、室町時代の御所を舞台としています。足利義正と花桐(はなぎり)の遺児・光氏(みつうじ/モデルは桐壺帝・桐壺更衣・光源氏)が、女性たちと奔放な恋愛を繰り広げるとみせて、密かに将軍家の宝物の行方をたずねます。

【江戸時代 文政12~天保13年<1829~42> 名古屋市蓬左文庫蔵】