漢詩 平生酌酒意<br /><small>良寛筆</small>

漢詩 平生酌酒意
良寛筆
かんし へいぜいさけをくむい

題にある熊森(くまのもり)の関左衛門(せきざえもん)とは、信濃川の渡し場のあった熊森(現・新潟県燕市)の豪農・長岡関左衛門のことです。良寛は、長岡関左衛門家でよく酒を振舞われたようです。久し振りに良寛が長岡家に立ち寄ってみると、いつもは炉のそばに座っていた関左衛門の姿はなく、亡くなっていました。この漢詩の左横には、良寛の筆で甕(かめ)と柄杓(ひしやく)そして盃(さかずき)の絵が描かれています。関左衛門への追悼(ついとう)の思いがひしひしと伝わってくる作品です。

【江戸時代 19世紀 個人蔵(展示期間:2020年1月4日~1月31日)】