漢詩<br />草庵雪夜作<br /><small>良寛筆</small>

漢詩
草庵雪夜作
良寛筆
かんし
そうあんせつやさく

 「回首七十有余年」の句から窺えるように、良寛最晩年の作品です。良寛はこの詩を遺偈(ゆいげ)のつもりで記したのでしょう。「是非」の世界を超越して生きてきた禅僧としての思いが書かれています。この詩は題に「草庵雪夜作」とあります。天保元年(1830)12月30日、越後は一面の雪に包まれていました。これは良寛が最後の力をふりしぼって書いた神品ともいえる作品です。

【天保元年(1830) 個人蔵】