布袋図・朝陽・対月図<br /><small>三幅対 名物</small>

重要文化財

布袋図・朝陽・対月図
三幅対 名物
ほていず・ちょうよう・たいげつず

布袋図: 伝胡直夫筆・偃谿廣聞賛
朝陽・対月図: 伝牧谿筆(無住子筆)・同賛

室町幕府3代将軍足利義満(よしみつ/1358~1408)の旧蔵品です。中幅の「布袋図」は、宋時代に禅林を中心に流行した、淡墨の略筆による消え入るような水墨画「罔両画(もうりょうが)」の代表作で、袋にもたれうたた寝する童子を布袋が起こす様を描いています。筆者とされる胡直夫は「繪之筆者上中下」で「上」に列されるものの伝歴は未詳であり、日本では罔両画の筆者にあてがわれてきました。左右幅の「朝陽・対月図」は、人物が陽光の中で糸を紡ぐ様と月光の下で経を読む様で、賛から無住子(むじゅうし)なる人物の画賛と知られるが、江戸時代には牧谿(もっけい)の筆と伝えられていました。
(展示期間:2021年11月30日~12月12日)

【布袋図:南宋時代 13世紀 /朝陽・対月図:元時代 元貞元年(1295) 】