木曽海道六拾九次之内<br >宮ノ越

木曽海道六拾九次之内
宮ノ越
きそかいどうろくじゅうきゅうつぎのうち
みやのこし

背景のすべてが輪郭線を持たないシルエットで描かれ、月の光の逆光さえ感じさせます。山国独特の深い霧を表したものと思われ、木々はその輪郭さえ曖昧で、靄に包まれた遠方の人影も消え入りそうです。手前の親子は徳音寺(とくおんじ)の秋祭からの帰りか、幼子は父親の背中で眠り、赤ん坊は母親に抱かれています。

【江戸時代 天保7年~9年(1836~38)頃 横大判 個人蔵】