脇指 無銘 貞宗<br /><small>名物 物吉貞宗</small>

重要文化財

脇指 無銘 貞宗
名物 物吉貞宗
わきざし むめい さだむね
めいぶつ ものよしさだむね

相模国の貞宗による脇指で、堂々とした姿に多様な変化ををみせる刃文を焼いている。由緒書「物吉記」によると、物吉の名は縁起の良いことを意味し、家康が本刀を帯て出陣すると必ず勝利したことに因むという。
尾張家初代義直(よしなお)から本刀を受け継いだ2代光友(みつとも/1625~1700)は、祖父・家康所縁の本刀を重視し、物吉という名も光友の命名という記録がある。光友歿後、本刀は家宝の筆頭とみなされ、新当主が本刀を受け継ぐ儀式も行われるようになった。

【南北朝時代 14世紀 徳川美術館蔵】