石首魚石入蠟色塗刀拵・脇指拵

石首魚石入蠟色塗刀拵・脇指拵 いしもちいしいりろいろぬりかたなごしらえ・わきざしごしらえ

尾張徳川家14代慶勝(よしかつ/1824~83)が作らせた大小拵です。艶やかな黒塗の地に石首魚石(石首魚の耳石(じせき))による白い斑点を散らした鞘や、色違いの下緒、金・銀で秋草を表した金具類など、各部は華やかですが、拵全体では黒・白を基調としており、大名家に相応しい格調高い印象にまとめています。
慶勝のセルフポートレートのなかに、くつろいだ日常着姿で本品を帯びた一枚が遺されており、日常で用いるお好みの拵であったことが窺えます。

【刀拵:江戸時代 安政4年(1857)  脇指拵:江戸時代 安政元年(1854)】