白綸子地鼓に藤・杜若文小袖

白綸子地鼓に藤・杜若文小袖 しろりんずじつづみにふじ・かきつばたもんこそで

尾張徳川家14代慶勝(よしかつ)の正室・矩姫(かねひめ/1831~1902)が着用した打掛(うちかけ)です。袴を着けない式日などには、褄(つま)をつまみ上げ、長い裾(すそ)をひいて歩行するので、一層華やかであったと想像されます。
白の光沢がある綸子地に、金糸や色糸の刺繡で鼓・藤・杜若が縫い取られています。鼓は紫と金で表し、二つの円を重ね、離して配することで、単調ではない動きのあるデザインを実現しています。富と権勢を象徴するような優雅な美しさです。
貞徳院矩姫(尾張家14代慶勝正室)着用。

【江戸時代 19世紀 展示期間:2023年6月3日~6月28日】