遊楽図屛風(相応寺屛風)<br /><small>八曲一双</small>

重要文化財

遊楽図屛風(相応寺屛風)
八曲一双
ゆうらくずびょうぶ(そうおうじびょうぶ)

尾張徳川家の菩提寺・相応寺に伝来したことから、「相応寺屛風」の通称で知られる。八曲一双の大画面を松や金雲で区切り、さまざまな遊楽を描き出す。右隻は花見の宴や市中の賑わい、能の興行など野外の遊楽、対して左隻は池苑と湯殿を備えた豪壮な邸宅の内外に、舟遊びや風流(ふりゅう)踊り・酒宴・かるた遊びなどの遊楽を描く。人々がありとあらゆる遊楽に打ち興じ、泰平の世を満喫するさまが繰り広げられ、享楽的雰囲気が濃厚に漂う。
きわめて精緻な人物描写もさることながら、様々な遊楽を破綻なくまとめた構成力、見る者を引き込む細密描写は傑出しており、邸内遊楽図の中でも最も初発的な作品と位置づけられている。

【江戸時代 17世紀 徳川美術館蔵】