山海めでたいつゑ 十<br />天気にしたい 土佐鰹節<br /><small>大判錦絵<br />歌川国芳画</small>

山海めでたいつゑ 十
天気にしたい 土佐鰹節
大判錦絵
歌川国芳画
さんかいめでたいつえ
てんきにしたい とさかつおぶし

手にする人形には「てりてり」とあり、「照り照り」すなわちてるてる坊主です。枠内の絵は、鰹節を作る作業の風景で、乾燥させるため、「天気にしたい」と晴れを願う図です。吊り上がった目や突き出した下唇などは幕末の女性表現に共通していますが、妖艶ではなく、身近にいる元気な町娘といった風情が持ち味で、親しみやすく描かれています。

【江戸時代 嘉永5年(1852)  尾崎久弥コレクション 名古屋市博物館蔵 】