第87回定期研究発表会|維君の婚礼と婚礼道具
尾張徳川家9代宗睦(むねちか)の養女である維君(つなぎみ)は、享和3年(1803)に加賀前田家へ嫁ぎましたが、ほどなく離縁し、文化5年(1808)に公家筆頭の近衛家へ再嫁しました。このときの維君の婚礼道具が「牡丹唐草蒔絵調度」(徳川美術館蔵)です。現存するのは、乗物や挟箱などほんの一部ですが、京都・陽明文庫には、維君の婚礼に関する記録が大量に所蔵されており、牡丹唐草蒔絵調度や書画など200件余りにおよぶ婚礼道具の全貌を窺うことができます。
維君の婚礼は、尾張徳川家と近衛家という高い家格を誇る家同志の結びつきであり、その準備や婚礼道具の調製には、倹約を旨としつつも家格や体面を重んじる当時の社会状況が色濃く反映されていました。また、維君が嫁ぐにあたり、専用の御殿が新築され、付人(つけびと)と呼ばれる維君専属の役人や女中が多数、尾張徳川家から派遣されたことも、今回はじめて明らかになりました。
維君の婚礼を中心に、江戸時代の婚礼文化や婚礼道具の社会的意義について紐解きます。
画像:牡丹唐草蒔絵乗物 維学心院維君(尾張家9代宗睦養女)・貞徳院矩姫(尾張家14代慶勝正室)所用
日時:2026年3月21日(土)13:30~15:00 開場13:00
会場:徳川美術館 講堂
料金:無料 ※入館料は別途必要となります
定員:80名 事前予約不要・会場にて先着順
