脇指 無銘 貞宗<br />名物 物吉貞宗

重要文化財

脇指 無銘 貞宗
名物 物吉貞宗
わきざし むめい さだむね
めいぶつ ものよしさだむね

貞宗は正宗の子または弟子と伝えられ、正宗の作風を受け継いだ名品を多く作刀しました。相州伝には密教系の刀身彫刻が入る刀剣が多く、貞宗の刀には特に多く見られます。本刀は家康の愛刀で、この脇指を帯刀して出陣すると必ず勝利したことから「物吉」と呼ばれました。家康の歿後、側室で尾張家初代義直(よしなお)の母・相応院(お亀の方)は本刀が義直に譲られるように力を尽くし、駿府御分物(すんぷおわけもの)とは異なる手順で尾張家へともたらされました。以来、尾張家で最も重要な刀剣として代々の当主に受け継がれ、当主の身近に置かれていました。桐白木地刀箱・蠟色塗葵紋付刀箱・刀袋が附属します。

【南北朝時代 14世紀】

刃長33.0 反り0.6 茎長8.8

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