観音菩薩・勢至菩薩を先導に、雲に乗った阿弥陀如来が往生者のもとへ飛来する場面を表します。各所に配された梵字(ぼんじ)は仏や菩薩を象徴的に示しており、上段の25種は来迎に随行する二十五菩薩、下段の蓮池に護法神として配されるのは不動明王と毘沙門天です。 本紙・表装とも、多彩な色糸と人毛を用いた高度な刺繡の技法を駆使し、色のぼかしや線の躍動感まで表現しています。刺繡による仏教絵画として屈指の名品です。