柏木の死から1年が過ぎた秋の夕暮れ、その妻・落葉の宮を見舞った夕霧は、柏木遺愛の横笛を贈られます。その夜、自邸で夕霧が横笛を試しに吹くと、柏木が夢に現れます。その気配におびえたのか赤児が激しく泣いたため、乳母や妻・雲居雁が目を覚まし、物の怪を退散させるために散米（うちまき）がおこなわれます。雲居雁は髪を耳挟みして、赤児に乳を含ませ、夕霧が夜歩きをしたから物の怪が入ってきたのだと恨み言を言います。