特別展・企画展

企画展 読み継がれた源氏物語

 『源氏物語』は、現代に至るまで千年にわたり読み継がれてきた古典の名作です。その作者である紫式部による日記『紫式部日記』には『源氏物語』の成立に関わる場面が記されており、平安時代、一条天皇を中心とする宮廷生活のなかで、いかに『源氏物語』が生まれ、享受されたかがわかります。
 『源氏物語』は、壮大な長編物語にもかかわらず、多くの人によって幾度となく書き写され、数多くの注釈書が著されるとともに、絵画化も図られました。後世の文学作品に多大な影響を与えたばかりでなく、和歌や能楽、茶道、香道といった日本文化にもその片鱗を見いだすことができます。
 本展では、東京・五島美術館所蔵の国宝「紫式部日記絵巻」を特別公開するとともに、宮内庁三の丸尚蔵館や個人所蔵の源氏絵の名品を併せて展示し、日本が世界に誇る『源氏物語』の文化史をたどりつつ、その魅力を紐解きます。

【特別公開】

国宝「紫式部日記絵巻」
(五島美術館蔵)


______ 紫式部とは ______

紫式部(973頃~1014頃)は、『源氏物語』の著者です。当時執筆中であった『源氏物語』の評判を聞き付けた藤原道長(みちなが)の求めにより、一条天皇の中宮である彰子(しょうし)の女房として1005年(寛弘2年)から宮中に出仕しました。

____ 『紫式部日記』とは ____

紫式部が、寛弘5年(1008)秋から寛弘7年正月にかけての宮中での日々を回顧録として綴ったのが『紫式部日記』です。彰子の出産をはじめとする様々な出来事や、紫式部の個人的な想いが書き記されています。「消息文」(手紙)の文体で書かれた部分に記されるライバル・清少納言への痛烈な批判は有名です。紫式部はこの日記の中で、自ら『源氏物語』を「源氏の物語」の名で幾度も記し、道長や藤原公任(きんとう)、そして一条天皇までもが『源氏物語』に親しんだことに触れています。正史には残らない当時の人々の風習や言動なども記されており、史料的価値も高い日記です。

___ 「紫式部日記絵巻」とは ___

「紫式部日記絵巻」は、『紫式部日記』を絵巻物にあらわした作品です。4巻分(詞23段 絵24段)が分蔵されて現存しますが、これはもとの半分にも満たないと推測されます。そのうち五島美術館が所蔵する3段分を徳川美術館にて20年ぶりに公開します。
 今回公開される詞3面、絵3面には、敦成(あつひら)親王が誕生して50日目に当たる寛弘5年(1008)11月1日を中心とした出来事が取り上げられています。絵は伝統的な「作り絵」の技法で描かれ、人物は表情豊かに描き分けられています。書は、13世紀に一世を風靡(ふうび)した後京極流(ごきょうごくりゅう)の書風を示します。



【特別公開】

国宝「源氏物語絵巻」橋姫
(徳川美術館蔵)


平成28年(2016)から5年にわたる修復作業の結果、保存上の観点から本来の巻子装に戻されました。今回は巻子装への改装後、初公開となります。

徳川美術館所蔵の国宝「源氏物語絵巻」各帖の詳しい内容はこちらをご覧ください。
国宝 源氏物語絵巻の世界へようこそ


主な展示品

この展覧会の見どころ

特別公開
■11月8日(日)~11月25日(水)
 国宝 紫式部日記絵巻 第一段・第二段(五島美術館蔵) 
■11月26日(木)~12月13日(日)
 国宝 紫式部日記絵巻 第三段(五島美術館蔵)
 国宝 源氏物語絵巻 橋姫※ (徳川美術館蔵)
 ※橋姫は、修理による巻物装への改装後、初めての公開となります。


英語による展覧会紹介ページはこちら
English Site

英文ハンドアウトはこちら
Handout in English

概要

会期
開館時間 午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日 月曜日(ただし11/23は開館、11/24は休館)
観覧料

一般 1,200円・高大生 700円・小中生 500円
※20名様以上の団体は一般200円、その他100円割引
※毎週土曜日は小・中・高生入館無料

主催 徳川美術館・名古屋市蓬左文庫
協力 名古屋市交通局
展覧会図録 ■展覧会図録 『読み継がれた源氏物語』(2020)/1,300円(税込)
■関連図録 『国宝 源氏物語絵巻』(2015)/2,300円(税込)
■関連図書『はじめての源氏物語 全五十四帖のあらすじ』(日本語・英語併記 2015)/400円(税込)
オンラインショップもご利用ください。
関連企画

■土曜講座
「源氏物語絵巻 桐壺」を読み解く
徳川美術館学芸部部長代理  吉川 美穂
11月14日(土)午後1時30分~3時(午後1時開場)
会場:講堂/定員:60名
※受講料600円(入館料別途要)

■担当学芸員の見どころガイド
11月23日(月・祝) 午後1時~(30分程度)
会場:講堂/定員:60名
※入館者参加自由(入館料別途要)

資料 企画展チラシ(PDF:1.6 MB)[更新日: 新しいウインドウで PDF を開きます
展示作品リスト(PDF:644.7 KB)[更新日: 新しいウインドウで PDF を開きます