特別展・企画展

企画展 尾張の百科事典
―御秘本『張州雑志』―

 尾張藩で「御秘本」として収められていた書物に『張州雑志』という地誌があります。同書は尾張藩士・内藤東甫(とうほ/正参(まさみつ))(1728~1788)によって18世紀後半に編纂され、東甫の歿後、未完の状態にあったものを同藩士・赤林信定が100冊に装丁し、藩に献上しました。尾張の情報が細密に記録されていたことにより「御秘本」扱いになったと考えられています。
 『張州雑志』は単なる地誌にとどまらず、多様な性格を帯びた書物です。たとえば、諸本の引用・比較による綿密な歴史・風俗考証がなされていたり、宝物や動植物が写実的かつ色鮮やかに描かれていたりするなど、史料叢書や博物図譜といった側面も持ち合わせており、ゆえに尾張の百科事典ともいえましょう。とりわけ、東甫による色彩豊かな挿絵は同書の最大の特色で、読者に豊かなイメージを抱かせ、また江戸時代の尾張の姿を如実に伝えます。
 本展覧会では、蓬左文庫のみに伝わるこの『張州雑志』を一堂に公開し、本書に描かれた宝物・動植物・風俗等の記録画から、色鮮やかな江戸時代の尾張の世界をお楽しみいただきます。

主な展示品

概要

会期
開館時間 午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日 月曜日
観覧料

一般 1,400円・高大生 700円・小中生 500円
(本館展示室「尾張徳川家の雛まつり」展と共通)
※20名様以上の団体は一般200円、その他100円割引
※毎週土曜日は小・中・高生入館無料

主催 徳川美術館・名古屋市蓬左文庫
展覧会図録 尾張藩の御秘本「張州雑志」 700円(税込)
▶徳川美術館オンラインショップからもご購入いただけます。
記念講演会

■講演会
「記録画に挑んだ東甫」
元名古屋市博物館学芸員 山本祐子氏
2021年2月28日(日)午後1時30分~3時(午後1時開場)
会場:徳川美術館講堂/定員:60名(先着順)
※入館者聴講自由(入館料別途要)

関連企画

■土曜講座
「『張州雑志』とは何ぞや 」
名古屋市蓬左文庫学芸員 今和泉 大
2021年2月13日(土) 午後1時30分~3時(午後1時開場)
※全回通しの受講の受付は終了いたしました。空席のある場合のみ、1回600円(入館料別)で受講可能です。

■担当学芸員の見どころガイド
2021年2月27日(土) 午後1時~(30分程度)
会場:徳川美術館講堂/定員:60名
※入館者参加自由(入館料別途要)

資料 展示作品リスト(PDF:612.0 KB)[更新日: 新しいウインドウで PDF を開きます