朱漆地花鳥七宝繋文密陀絵沈金大椀

重要文化財

朱漆地花鳥七宝繋文密陀絵沈金大椀 しゅうるしじかちょうしっぽうつなぎもんみつだえちんきんおおわん

琉球独特の濃色の朱漆地に、赤い花を付けた椿と羽根を休めさえずる尾長鳥、蝶や蜻蛉(とんぼ)などが沈金(ちんきん)と密陀絵(みつだえ)・色漆(いろうるし)、岩絵具(いわえのぐ)などで華やかに描かれています。本品は御供飯(うぐはん)と呼ばれる神饌用(しんせんよう)の食器の中央に据えられる大椀です。御供飯の盆の見込中央には、琉球王家を象徴する三つ巴紋があしらわれています。慶長14年(1609)に琉球を攻略した島津氏は、中山(ちゅうざん)王府の宝物を持ち帰り、それらのいくつかを徳川家康や2代将軍秀忠、諸大名に贈りました。この御供飯もその一つと推定されます。

【徳川家康・徳川義直所用 琉球(沖縄) 16-17世紀】