初音蒔絵十二手箱

国宝

初音蒔絵十二手箱 はつねまきえじゅうにてばこ

初音の調度の名は、『源氏物語』第二十三帖「初音」の「年月を松にひかれてふる人に今日鶯の初音きかせよ」の歌意を全体の意匠とし、その歌の文字を葦手(あしで)書きに散らすところに由来します。 3代将軍家光の娘・千代姫(1636~98)が寛永16年、尾張家2代光友(みつとも)に嫁いだ際に持参した婚礼調度の一つで、幸阿弥家(こうあみけ)10代の長重(ちょうじゅう)が製作にあたりました。十二手箱は、化粧道具を収納する手箱の一種で、中に計12合の小箱を納めるためにこの名があります。

【江戸時代 寛永16年(1639) 霊仙院千代姫(尾張家2代光友正室)所用】