瀟湘八景 遠浦帰帆図<br /><small>玉澗筆・同賛<br />名物</small>

瀟湘八景 遠浦帰帆図
玉澗筆・同賛
名物
しょうしょうはっけい えんぽきはんず

室町将軍家の蔵した美術工芸品「東山御物(ひがしやまごもつ)」を代表する一幅です。もとは巻物でしたが、室町将軍家において分割され掛物に改装されました。秋の夕暮れの西陽が包み込む湖畔の様が描かれています。玉澗(ぎょくかん/生歿年未詳)は南宋時代末期から元時代初期に活躍した画僧で、日本では牧谿(もっけい)とならび室町時代以降高い人気を誇りました。本品は室町将軍家を出たのち東国を転々とし、その後、豊臣秀吉の手に渡りました。慶長3年(1598)7月、死期を悟った秀吉が諸大名らへ遺品分けを行った際、本品が家康に譲られ、その後、家康から尾張家初代義直へ遺品として譲られました。

【南宋時代 13世紀】